相続対策あれこれ

相続税の節税方法
<生前贈与によって相続税を節税する>
 生前贈与をすることで、相続時に発生する相続税そのものを減らしていこうと考えていく方法です。
 これをしておくと、当然、相続発生後の財産が減ることになりますから、相続税評価総額が減額され、結果として納めるべき相続税が減るというものです。
 具体的には、相続人に保険料を毎年贈与し、その資金で子供が契約者となって契約することにより相続財産の事前移転をします。

・毎年、「贈与契約書」を作成し、保存する
・贈与税申告書を保存する
・110万円以上の贈与をして、毎年申告書を提出し、納税する
・贈与者は生命保険料控除を活用しない
・その他、贈与の事実を認定できるもの 

<養子縁組をする>
 相続人が多ければ多いほど相続税の基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)は増えることになります。
 すなわち法定相続人が一人増えるたびに基礎控除額の枠が1,000万円増えることになりますし、また生命保険金、死亡退職金も一人当たり基礎控除額が500万円増えることになりますので有効な相続税の節税対策となります。
 要するに養子縁組をすることで法定相続人の数が増え相続税の基礎控除額も増えることになります。
 この場合には孫を養子にするとか、娘婿を養子にするのが一般的でトラブルも少ないでしょう。なお相続税の不当な節税を防止するため、相続税の控除が受けられる養子の数には、制限があります。その制限とは、相続税の計算をする際の被相続人の養子の数を、実子がいる場合には1人、実子がいない場合には2人までとするものです。例えば、実子がある場合に養子が3人いても1人分の相続税の基礎控除しか受けられません。
 ただ、相続が起こった場合に養子に財産を相続させなかった場合には相続税を不当に減少させる目的で養子縁組をしたと扱われることにもなりますし、相続直前に養子をやたらと増やしたというような場合にも不当に減少させたと扱われることもありますので、実際に養子縁組を行う場合には常識的な範囲で行うようにしましょう。

<土地を利用した節税方法>
土地を所有しているが、空き地のままの状態であるというような場合には土地を賃貸する、あるいはアパートやマンションなどを建てて賃貸した場合には、前者は貸宅地として、後者は貸家建付地として土地の評価を減少させることができますので節税対策になります。
また、賃貸収入にもなりますので納税資金の対策としても有効な方法になります。

■土地を他人に賃貸する場合(貸宅地)

メリット
①一般的に更地価格の60~70パーセントが借地権の評価割合になりますので、残りの30~40パーセントが土地の評価額ということになります(借地権割合は国税局が各地域ごとに設定しております)。
②維持費や建築費などが貸家建付地と異なりかかりません。
 
デメリット
①借主が借地権を持つことになります。借地権は非常に強い効力をもっていますので、土地の売却や賃貸契約などの解除が難しくなります。

■土地の上にアパートやマンションを建てる場合(貸家建付地)

メリット
①一般的に更地価格の60~70パーセントが借地権の評価割合になりますので、残りの30~40パーセントが土地の評価額ということになります。また、建築した建物の価格も評価額の70パーセント程度になります。
②借主に借地権が発生しませんので貸宅地に比べると、土地の処分に手間がかかりません。
③建築した建物の一室を居住用にすれば小規模宅地として更に評価額を減じることができますので二重の節税対策になります。
④建築のための資金として借り入れをした場合、債務として相続財産から差し引くことができます。

デメリット
①立地条件が悪いと入居者が集まらない
②借入金やその利子の返済などを考慮しておかないと相続税対策どころではなくなります。

 

 
生命保険を活用する
<納税(資金)対策>
 相続税は金銭で一括納付をすることが原則になっています。
 不動産やその他の動産で納付することは条件付きとなりますし、売却して金銭に換価することも本望ではないことが多いでしょう。
 そういったときに、よく対策として使われるのが「終身保険」です。
 保障が一生続くため、死亡時に必ず保険金が受け取れ、現金が手元に残るのです。とは言え、相続税額は一般的に高額です。それだけで支払えるような保障額の保険に加入しようとすると、保険料も高額になってしまいます。 その対策として、保険期間を長くした「定期保険」や「定期付終身保険」が利用されることが多いようです。

<生命保険を活用するメリット>
1)受け取る死亡保険金には非課税枠があります
 契約者、被保険者が同一人で、死亡保険金受取人が法定相続人の場合、受け取った保険金は「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となります。
 そのうち法定相続人数×500万円が非課税になります。
 例えば、夫が死亡して妻が2,000万円の保険金を受け取った場合、子供が2人いたとすると、法定相続人3人×500万円=1,500万円が非課税となり、残りの500万円が他の相続財産と合算され、課税対象となります。


2)加入と同時に納税対策ができます
 保険に加入したのと同時に資金が準備できることになります。
 銀行預金などの積立とは大きく異なる部分です。

3)保険金受取時まで課税は発生しません
 生命保険の配当金は、受け取った保険金と一緒に相続財産として扱われ、契約途中で課税されることがありません。
 一方で、銀行預金では利息に20%の源泉徴収がされてしまいます。

4)現金で受け取れます
 相続税は、原則として発生から10ヶ月以内に金銭で納付しなければなりません。 もし不動産などの固定資産だけを相続したような場合、売却して資金を調達することも少なくないようです。
 保険金はもちろん現金として受け取れるので、固定資産の売却をせずに済むかもしれません。
 もちろん、相続税の納付には、延納や物納という方法もありますが、利子もかかる上、その手続が面倒で非現実的です。
なお、固定資産に全く手をつけずに相続税納付を行いたいのであれば、受け取る死亡保険金にかかる相続税分も計算に入れて、保障額(保険金額)を決める必要があります。

<現物分割に生命保険を利用する>
 遺産の大半が不動産だという場合、相続人が数人居れば、家を分割するわけにもいきません。
 現実的にはよく発生するケースで、このときに生命保険を上手に使うことが出来ます。この場合不動産は遺言で一人に遺贈し、他の人を生命保険の受取人に指定して、その死亡保険金を分配することで帳尻を合わせられるのです。 ただし、保険金額は遺留分の額以上にしておくことが大事です。

<代償分割に生命保険を利用する>
 商売をしている場合、遺産分割すると商売ができなくなってしまうということがあります。このような場合、「代償分割」という方法が使われます。
 「代償分割」とは、相続人の一人が財産を受ける代わりに、他の相続人には相当の金銭や別の資産をその代償として支払うというものです。
 この場合、代償分割の支払いのための資金を生命保険で準備することが出来ます。
 財産を受ける人を死亡保険金受取人に指定しておけば、一度受け取った保険金を他の人に支払うことができます。
 同族会社などの場合、株式の多くを社長が持っているケースが多いようです。また、会社を子供に継がせたいと希望している経営者も多いようです。 こういった場合、社長が死亡して保有していた株式を会社の経営に関係のない、後継者以外の相続人に分割すると、その後それらの相続人から会社に対して自社株の買い取り請求を受け、経営を圧迫するといった事態にもなりかねません。
 会社経営を安定的に承継するためには、後継者一人に自社株を相続させることが必要です。
 そこで、生命保険を活用した遺産分割対策が有効になるのです。

 

 

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